音楽の道へ行く場合は、早くからそれ相応の練習とレッスンが必要であるのは間違いありません。しかし、小学生の頃にその決断ができるかというと…なかなか難しいものがあります。それでもいざ音大へ行きたい!となった時になるべく困らないようなレッスンをすることは可能です。
小・中学生の基本の楽譜としては、
・ハノンなどのテクニック本
・チェルニー30番・40番、モシュコフスキー15の練習曲
・バッハのインヴェンション、シンフォニア、平均律へと進む
・ソナチネが終わったらモーツァルトやベートーヴェンのソナタへ移行
この4冊をやりながら、ショパンやメンデルスゾーンのロマン派、ドビュッシーなどのフランス物などもバランスを見ながら取り入れます。コンクールの課題曲を勉強することで様々な曲の経験を積むこともできます。
コンサート伴奏の課題曲では、邦人作曲家やシャブリエ、プロコフィエフ、ショスタコーヴィチ、フランスのバロック作曲家など、普段馴染みのない作曲家にもトライできます。
高校生になると、いよいよ受験へ向けて本腰を入れてもらいます。
・モシュコフスキーの練習曲→ショパンエチュードへ
・バッハの平均律Ⅰ・Ⅱ巻
・ベートーヴェンのソナタ(ハイドン・モーツァルトも)
・シューベルト、メンデルゾーン、リスト、ショパン、シューマン、ドビュッシー、ラヴェル…その時々で様々な曲を課題に出します。
コンクールの課題に出ている場合などは、ラフマニノフやプロコフィエフ、スクリャービンなどの近代ロシアものもやりますが、基本このあたりの曲は音数がとても多く、コントロールするのが難しいので、自分の音をしっかり聴けるようになるまではあまり弾かせませんが、ラフマニノフの前奏曲やスクリャービンのソナタ、フォーレのノクターン、ブラームスの間奏曲など魅力的な曲は沢山あります。
進みが早い生徒さんですと、高校生のうちからチャレンジすることもあります。
大事なことは、音大に行くまでの間に出来る限りのテクニックをつけることはもちろん、譜読みの正しいやり方、楽譜から読み取る力、自分の音を聴く力、沢山の良い音・良い音楽に触れ耳を養うこと、このような土台作りをきちんとしていくことが大事です。
沢山の曲を同時に見なければならない中で、譜読みの段階でその曲の構造や場面ごとのキャラクターの把握、アーティキュレーションまで細かくチェックしながら音を弾いていかなければなりません。
みんな意外とできていなかったりするのです。
ソルフェージュ(聴音・新曲視唱など)や楽典も一緒にやっていくので、それもしっかりと今自分が弾いている曲で活かしていけるようにレッスンしていきます。
そして、沢山のいい音楽に触れ、自分の耳のレベルを上げることもとても大切です。いい音楽を聴かなければ絶対に良い音は弾けません!ピアノ以外のコンサートにもたくさん足を運んで頂きたい!
練習はもちろん大事です。自分の生活の一番をピアノにしないとなりません。一日に何時間も練習しなければなりません。
しかしそれだけでは音楽的にも、人間的にも成長は出来ません。先ほど述べたように「良い音楽をできるだけ生で聴く」ことが大事。当然ながらご家族の協力も必要不可欠です。
とても大変な道ですが、とても素晴らしい道でもあります。
私は音楽の道に進み、音楽の仕事につき、一生ピアノを弾いて教えていきたいと思っています。もちろん、音大に行ったからといって音楽の仕事につかなければならないわけではありません。しかし、趣味ではなく専門的に学ぶと、普通では味わえない感動があり、違った景色をを見ることができます。
「音楽に真剣に取り組んだことがその先の自分の人生を豊かにしてくれた」
そんな風に思えるように、一緒にレッスンしていきましょう。